アイマスからみたサイリウムの歴史

皆さんこんばんは。

水嶋咲のトレンチことkatariyaです。

◆はじめに

この記事はやきゅべんと Advent Calender 2017の14日目の記事になります。

adventar.org

様々なアイマスPが集まり各々の得意分野や好きなことをリレー形式に書いていくイベントです。

 前回はまぐろうさんでアイドルをマネジメントする - ブログ名募集中。でした。マネジメント、なんとなくやっていましたがこう考えると深いですね……。

 

さて、今回はアイマスライブにおいて欠かせないグッズ、サイリウムについてのお話です。皆さんが何気なく振っているサイリウムも実は意外な歴史があったりするわけです。今回は電池式サイリウムを中心に簡単にご紹介していきます。

◆そもそもサイリウムがライブに持ち込まれた理由

そもそもサイリウムを最初に持ち込んだのはどのライブなのか。

j-town.net

西城さんは、東京新聞地震の連載「西城秀樹 ヒデキ!カンレキ!」にて、ケミカルライトがコンサート会場に定着していく様子を解説している。夜の公演だったため、前日のラジオで懐中電灯を持ってくるよう呼びかけたところ、多くのファンが持参した。懐中電灯やフィルムを巻いた豆電球はその後定番となり、80年代にはケミカルライトが公式のものとして売られ始めたのだという。

今のライブにサイリウムを持ってく文化がすでに80年代くらいにあったという記事です。アイドル現場においてのサイリウム文化は案外古くからあったんですね。あとこの頃は照明設備などもそこまでしっかりとしたものではなかったようです。

ここから徐々にアイドル文化が根付いていき、2000年代初期のモーニング娘。に代表するハロプロなどのアイドルライブにおいて、いわゆるケミカルサイリウム(今でいう『大閃光』などの折るタイプ)を、メンバーのカラーに合わせて振る文化やサイリウムを配る文化がありました。

 ◆アイマスにおけるサイリウム

アイドルマスターが、2001年当時人気絶頂であったハロプロをイメージして作られた、というのは初期の製作者のインタビューでも触れられています。

そしてアイドルマスターのライブイベントというものに初期から来ていたのが、いわゆるハロプロなどのアイドルファンのPたちでした。

彼らはアイドルマスターのライブにコールや法被などのアイドル文化の作法をどんどんと持ち込んでいきました。

その中の一つにサイリウム文化というものがあったのです。特にアイドルマスターにおいて、アイドルのパーソナルカラーがありましたので、それぞれの色を素早く抜いてバルログ持ち(片手で複数本持つ持ち方)をするような文化が根付いていきました。

 

しかし、このサイリウム文化もある問題が浮上してきました。

 

 ◆改造サイリウムと禁止の流れ、そしてキンブレへ

2010年代に入るとAKBなどに代表されるアイドルブームが到来。小さな劇場でアイドルを応援していく文化が出来てきた頃、サイリウムもよりアイドルに見てもらうことが重要視されるようになり、いわゆる光量を増すためにサイリウムの大規模化・自作サイリウム製作が行われるようになってきました。

大規模化についてはいわゆる工事現場などの警棒などの持ち込み、改造サイリウムに関しては有名なものだと自転車等につけるLEDライトを改造した通称「閃光ブレード」というものがありました。


しかし、この閃光ブレードがかなりの問題を引き起こします。

  • そもそも、LEDなどの高輝度のライトをサイリウムなどで光を集約すればレーザーポインタのようになり舞台に立つ演者などに対しての目を焼く恐れがある。
  • LEDと上のプラスチックの部分のつなぎ処理が甘いと高温を持ち、やけどを負ったり、ひどいときにはボヤ騒ぎなどの火事の原因になりかねない。
  • 元々LEDの部分が持って振るようにできているわけではないので当然すっぽ抜ける等の事故が多発しました。(こちらは警棒などでも同様です)

 

このように様々な面で危険な改造サイリウムを重く見たのは主催をする運営スタッフの側でした。事故や事件などが起これば当然運営の責任になりますし、今後の活動自体にも支障が出ます。そこで2011年頃からこういった改造サイリウムなどを取り締まる動きが活発化していきました。

そんな中、サイリウム規制の情勢の中で彗星のごとく現れた会社がありました。

 

それが『ルイファンジャパン』です。ルイファンジャパンは当時禁止されていた改造サイリウムに代わる、安全で高輝度なサイリウムを開発しました。それが現在多くの現場で使われている『キングブレード』です。

キングブレードX10III Neo スーパーチューブ

キングブレードX10III Neo スーパーチューブ

 

 『キングブレード』は瞬く間に広まり現在も2次元3次元問わずアイドル現場において多く使われるようになりました。

 

 ◆アイマスにおけるサイリウム規制

さて、それではアイマスはというとこちらもサイリウム規制を行っていきました。

いわゆる現在の「サイリウムレギュレーション」です

ameblo.jp

過去のイベントで、お客様のものと見られるペンライトにより、実際に機材が破損した例がございました。
大型ペンライトやレーザーポインター等、周りのお客様のご迷惑になる物もございましたので、サイリウムを含むペンライトのサイズ規制をさせていただきます。
ご理解、ご協力をお願い致します。

・以下を除く電池式ペンライトの使用は、周りのお客様へのご迷惑や怪我、トラブルの原因となりますので禁止とさせて頂きます。

 THE IDOLM@STER × TOWER RECORDS LED式ペンライト 星井美希タワー限定ver. (正規許諾品、ボタン電池使用・緑色)
 7周年ライブ会場で販売予定の応援セット(うちわ+LED式ペンライト(ボタン電池使用・ピンク色))
 市販のLED式ペンライト(ボタン電池使用、25cm未満のものに限る)
・非電池式のサイリウムに関しましても25cm以上のものは禁止とさせて頂きます。

実際にアイマス現場においても実際に機材破損の事故などが起きた関係で規制が厳しくなりました。

ここで注目するのは『ボタン電池使用』のもの限定であるところです。これは上記にあげたキンブレの使用を禁止しています。これに関しては想定として複数本持ちを許容したうえでのサイリウム規制を行ったと見られています。

キンブレ等の乾電池式は根元が太く複数本持ちに向いていません。ともすれば、すっぽ抜けて飛んでいくことも考えられます。

そういった内情からアイマスでは「ボタン電池式」のレギュレーションの遵守を求めるようになっていきます。

 

アイマスにおける公式サイリウム

上記の規制などもあり、ボタン電池サイリウムを使ってもらうためにアイマス運営が出した答えが「公式サイリウム」のグッズ化でした。

一応6th前まではケミカルサイリウムの物販が行われて、7thの時にもうちわとセットでサンライトが発売されていましたがそちらはまだピンクの一色でした。

 

正式に今の多色で発売になったのは2013年の8thの公式サインライトでした

ameblo.jp

アイドルマスター公式ブログ

 

完全に公式が多色振りをやらせようというためにバッグとベルトも作っています。公式の画像がすでにバルログです。

しかし、このサンライト、非常に蓋ががばりやすく光量もそこまで強いものでは有りませんでした。

 

そこで次のMaster of IdolWorld2014からは正式にあのキングブレードを開発したルイファンジャパンとコラボレーション。公式でキングブレードiLiteサイリウムが発売されました。

idolmaster.jp

03

しかし、このサイリウムにも問題がありました。このグリップ一見持ちやすそうなのですが、長時間振っていると指の股がすれてまめになりやすかったのです。そこでさらに改良がなされました。

 

それがTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 2ndLIVE PARTY M@GIC!!

つまりはシンデレラの2ndライブになります


light

 

なんとこのためにルイファンジャパンと共同開発、手になじみやすくて傷めないグリップを開発したのです。なにが彼らをそうさせたのか……

こうして現行のサイリウムの形は生み出されたのでした。

 

◆その他の最新のボタン電池サイリウム

アイマスライブやその他のアイドルライブが大規模化するにつれて乾電池式で無いボタン電池式でかつ多色対応のペンライトが求められ始めました。

ボタン電池式にはコンパクトであるという利点があったためです

 有名なところだとこちらのターンオンが出していますMixペンラ。24色の切り替え式で非常にお手頃に使えます。

 

ルミエース アイドル

ルミエース アイドル

 

 また最近では手元のグリップの入れ替え機能などを付随したルミエースアイドルなど付属機能が多く入ったものなども売り始めています。

◆終わりに

いかがだったでしょうか?

たかがサイリウムといえどその裏にはいろんな歴史が隠されているものです。

もしあなたも現場にサイリウムを持っていく時はちょっとサイリウム選びをしてみて、公式サイリウムや上にあげたボタン式電池サイリウムを持っていってはいかがでしょうか?

 

◆次回予告

さて、というわけで次「やきゅべんと」 Advent Calendar 2017 - Adventar

大槻ずん子さんでアイマスを通じて2017年を振り返るです。

2017年もいろいろあったアイマス。どんな振り返りになるのか楽しみです。

 

それでは、また。